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GEO×SOD 戸田真琴オフィシャル映画サイト
2017-08-24

リクエスト作品をレビューしてみたよ


みなさん、こんにちまこりん🌸

先日まこりんちゃんねる公式Twitterにて行われた、「まこりんにレビューしてほしい映画募集」にリプライをくださったみなさん、ありがとうございました!

見たことのある好きな映画や、気になる映画、新しく存在を教えてもらった映画など、リプライ欄を見ているだけでもとっても楽しかったです。

今回はその中から、「グランド・ブタペスト・ホテル」を鑑賞させていただきました。

上映当時、映画好きのモデルさんやファッション関係者の方々がどっぷりとハマって、象徴的に登場するパステルカラーのクリームが乗ったカップケーキも軽いブームになっていたのが記憶に新しいです。

 

外から見ているとかわいい感じの映画なのかな?と思える今作ですが、蓋を開ければしっかりミステリー。

徹底的に構築され尽くした世界観とトリックで、息をつかせる間も無くハチャメチャなストーリーが楽しませてくれます。

作家である主人公は、療養のためにさびれた大きなホテルに宿泊していました。彼は、国一番のお金持ちと知られているこのホテルの支配人であるゼロという人物を気にかけるようになります。定期的に現れては、なぜか窓もない小さな使用人部屋に宿泊していくゼロ。主人公は、彼の人生が気にかかり、ある日その半生の話を聞かせてもらうことになりました。

 

かつてはお砂糖菓子のようなピンク色の美しい高級ホテルであった、グランドブタペスト。そこでベルボーイを始めた若かりしゼロは、当時の名コンシェルジュ、グスタフ・Hと出会います。

グスタフ・Hはやたらと女性に好かれ、(女性だけにも留まらないようす。)いつも人に囲まれていました。香水を愛し、華やかさを愛し、とくべつ夜の評判が良い、一風変わった色男。

そんな彼もはじめはゼロと同じベルボーイだったといいます。

ゼロはグスタフにベルボーイのなんたるかを教わりながら、次第に彼自身のことも知っていきます。

ある日、グスタフと親しい仲にあった大富豪のマダムが何者かに殺害されてしまいます。遺族たちに犯人だと疑われたグスタフは、刑務所に入ることになります。

それは、マダムの莫大な遺産を巡る陰謀の始まりでした。

 

ウェス・アンダーソン監督は、独特の色彩感覚と画作りを徹底していて、今作もおとぎ話のように美しい画面の中進んでいきます。

ゼロの昔話のパートは全編、4:3の画角(昔のテレビと同じ縦横比)で展開されるのですが、正方形に近い画角でシンメトリーや平行線を守っていく画面が、視覚的にも心地いいです。

昔話はいくつかの章に区切られているのですが、それぞれの章で主として使われる色が決まっていて、見終わった後思い返しても連作の絵本を読んできたように思い出せます。

回想ではあくまでキャラクターのように、感情も表情もわかりにくく描かれているゼロですが、現代のシーンで老人となったゼロの目には、グスタフ、そして恋人であったアガサとグランドブタペストで過ごした日々への静かで熱い愛の炎が燃えています。

この映画は、「作家とは無から有を生み出すのではなく、作家と知られると自然と物語が集まる」というメッセージで始まりますが、すべてを話した後のゼロの姿はまさに自分の物語を生き抜いてきた人でした。彼は彼の物語を、他人には絶対にわからないほどに深く深く切実に、胸の奥の一番大切なものを入れる箱にしまっているのだと感じました。

過ぎ去ったあとに思い出すのはいつも、なんだかんだで素敵だったな、と笑えるような物語です。

ゼロはそんなふうに日々を思い出し、この映画を見終えた私もまた、なんだかんだでいい映画だったな。なんて思いながら幸福な気持ちになりました。

 

ゼロ、グスタフ、カップケーキ屋の少女アガサ、弁護士のコヴァックス、不気味な男ジョブリンク…

登場するキャラクターは皆どこかでこぼこで、憎めない。カラフルなパズルのように組み立っていくトリックは、ミステリーが特別好きというわけではない人たちにもエンターテインメントとして楽しめると思います。

騒ぐだけ騒ぎ散らかした物語の果てで急に収束を迎える展開も、カップケーキが手から滑り落ちて床に落ちたときのようで、とても好きでした。

全部がうまくはいかないけれど、一口食べた時美味しかったな、と諦めながら微笑むように。

 

素敵なところはたくさんありますが、あの真四角に近い画面の中にいつもきちんと収まっていたゼロとグスタフの二人組のことを、思い出すだけで胸が暖かく切なくなるようになったのが、この映画を見たことで得た一番の儲けものでした。

経験と、それに寄りそう想いがなによりの財産であることを、教えてもらえます。

 

とてもおすすめの映画です。みなさんも是非、観てみてください。

🌸最後までお読みいただき、ありがとうございまこりん🌸


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